サッカーコートジボワール代表
我らがサッカー日本代表がブラジルワールドカップのグループリーグC組で最初に対戦することになる国、コートジボワール。カカオの生産量が世界一であることで知られる同国は、有名なサッカー選手を多く輩出していることでも有名です。
そんなコートジボワール代表の面々は、当然ながらワールドクラスの豪華な顔ぶれがずらり。とはいえ、海外サッカー通でなければ知らない選手や歴史も多いと思いますので、詳しい方もそうでない方もワールドカップ前に情報をチェックしてみましょう!
コートジボワール代表のサッカーユニフォーム
PUMAがブラジルワールドカップに向けて作り上げたコートジボワール代表のユニフォームは、目の覚めるような鮮やかな山吹色が特徴です。デザインのアクセントとして肩とワキにアフリカ各国の民族版画をモチーフにした意匠を配置し、PUMAらしいおしゃれさをプラスしています。シャツだけでなく、パンツもソックスも山吹色で統一しインパクトは抜群。アフリカ選手ならではの黒い肌に良く映えるカラーで威圧感も増すことでしょう。また、細部を見ていくと、コートジボワール(象牙海岸)をモチーフとしたゾウのエンブレムが左胸に配置されており、かわいらしくもワイルドなイメージが面白いですね。
アウェイカラーはこちらも目の覚めるような鮮やかな緑でシャツ、パンツ、ソックスまで統一しています。ホームの山吹色、アウェイの緑色、プリントカラーの白の3つが合わさるとコートジボワールの国旗と同じ色になりますので、国旗をモチーフにユニフォームカラーを決めたのでしょう。
コートジボワール代表の特徴とサッカースタイル
もともと高い身体能力を誇る選手の多いアフリカ勢ですが、その中でも際立った肉体の強さを見せるのがコートジボワール代表です。アフリカ勢同士でも当たり負けすることはほとんどなく、テクニックにも優れるため1対1では無類の強さを発揮するのが特徴です。
最近までは個々の強さと攻撃のタレントが豊富なことから前がかりになりすぎ、ディフェンスがおろそかになりがちでした。ラムシ監督が就任してからはリスク管理が改善され、高い攻撃的を保ちながら守備のバランスもとれるチームになりつつあります。
コートジボワール代表の監督
サブリ=ラムシ監督
現役時代はモナコ、パルマ、インテル・ミラノ、オリンピック・マルセイユなどの著名なチームでプレイし、フランス代表としても活躍しました。監督経験が全くない中、突如コートジボワール代表監督に抜擢されサッカー界に大きな驚きを与えましたが、ブラジルワールドカップのアフリカ予選を無敗で突破する好成績を残しています。パルマでは中田英寿選手とチームメイト、インテル・ミラノではザッケローニ監督の下でプレイするなど、日本代表とはちょっとした関わりのある人物でもあります。
コートジボワール代表の有名選手
ディディエ=ドログバ(ガラタサライ/トルコ-スュペルリグ)
コートジボワール代表のキャプテンであり、エースストライカー。かつてイングランドプレミアリーグのチェルシーで大活躍し、2度のプレミアリーグ得点王の記録を持つ世界的フォワードです。世界で最も強靭な肉体を持つ選手の一人とも言われ、ディフェンダーを弾き飛ばすフィジカルと、遠近構わず放つ精確かつ強烈なシュートでディフェンスを無効にしてしまいます。2010年に日本との親善試合で田中マルクス闘莉王と接触し右腕を骨折してしまったことでも有名です。
コロ=トゥーレ(リヴァプール/イングランド-プレミアリーグ)
コートジボワール代表の守備の要として活躍するディフェンダー。アフリカ選手特有の肉体の強さだけでなく、抜群の読みによる対人の強さと素早いカバーリング、ディフェンス陣を統率するキャプテンシーを兼ね備え、世界屈指のディフェンダーとして名を馳せていました。近年では年齢のため運動量が落ちているものの、積み上げてきた実績と経験値は本物です。
ヤヤ=トゥーレ(マンチェスター・シティ/イングランド-プレミアリーグ)
コロ=トゥーレの弟でありコートジボワール代表の同僚。一時期はマンチェスター・シティでも同僚だったという逸話があります。守備的ミッドフィルダーとして高いディフェンス力を発揮するのはもちろん、類稀なるパスセンス、ゲームメイク、得点力、スピード、挙げればキリがない程たくさんの長所を兼ね備え、世界有数のミッドフィルダーとして活躍しています。
サロモン=カルー(リール/フランス-リーグアン)
圧倒的なスピードを武器に活躍する快速フォワード。センターフォワード、ウイング問わずプレイできるユーティリティ性も大きな魅力です。ボールキープに優れることから多くのチャンスを作り出し、味方フォワードをアシストすることもできる選手です。インタビューで好きな選手に中村俊輔選手を挙げ、日本ではちょっとした話題になりました。
ウィルフリード=ボニー(スウォンジー・シティ/イングランド-プレミアリーグ)
2012年にオランダのエールディヴィジ得点王に輝き、2013年、イングランドのスウォンジ―・シティに移籍後もいきなり17得点を叩き出した若手ながら本格的なフォワードです。アフリカ勢特有の身体の強さはもちろん、ドリブルからの強力なシュート、ワンタッチで流し込むなど、華麗で多彩な攻撃パターンを持つテクニカルな選手です。
コートジボワール代表の歴史
1992年 | アフリカネイションズカップ-優勝 |
2006年 | ドイツワールドカップ-グループリーグ敗退(初の本戦出場) |
2010年 | 南アフリカワールドカップ-グループリーグ敗退 |
2014年 | ブラジルワールドカップ-本戦出場決定 |
真の王者へと向けて
“無冠の王者”これこそがコートジボワール代表のことを最もよく表している言葉です。国際サッカーに臨んだ歴史こそ浅いものの、数々のタレントを輩出してきた土地柄から毎年アフリカ勢最強と謳われています。しかしながらここ一番という局面で非常に弱く、1992年のアフリカネイションズカップ優勝以外はパッとした成績を残せていません。低迷の原因として昔から変わらず言われていることは、余りにも高い攻撃力を持つため前がかりになりすぎるところや、タレントが多いことによる過剰な自信から相手の出方を待ってからプレイをする、悪く言えば後手後手の対応になってしまう点です。
コートジボワールのレジェンド、ディディエ=ドログバはもちろん、ヤヤ=トゥーレ、サロモン=カルー、ボニーといった選手を擁し、その他レギュラーメンバーの実力も高く、近年ますます力をつけているコートジボワール代表ですが、今後国際大会で上位に進出していくためには、ラムシ監督がもたらした守備へのバランスをどこまで維持できるか、そして、チームとして勝者のメンタリティをいかに醸成していくかにかかっているでしょう。
次回予告
次回は多くの人にとって謎に包まれた国、ギリシャ代表です。相当な海外サッカーフリークでないと、どんなチームか全くイメージの湧かないであろうチームですが、ちょっとでも身近に感じてもらえるように解説してみましょう。