サッカー実況放送の事情
サッカー実況放送の事情
スタジアムの興奮を家庭で体験できるサッカー実況放送。
国際Aマッチの試合放送などで、日本代表の選手がゴールを決めると「ゴオオオオオオオオオル!!」というアナウンサーが大声で実況してくれます。
すると、放送を見ている私達まで「やった!」という気持ちがかき立てられます。これはサッカーの実況中継を見ている人にとって、最大の醍醐味ですよね。
さて、サッカーファンが増えている現在、一体どれほどの数のTV局やラジオ局がサッカーの実況中継をしているのか、ご存じですか?
サッカーの試合を実況中継するのはテレビが主体で、次はラジオ、インターネットの順になります。
テレビではNHKをはじめ、日本テレビ系列のNNN・NNSが28局、テレビ朝日系列のANNが 15局、TBSテレビ系列のJNN系が22局、テレビ東京系列のTXNが 5局、フジテレビ系列のFNN・FNSが 21局、ほかには独立UHF放送局が13局が中継局で、ラジオでは単営局が10局となっています。
これだけの放送局が実況中継をしている日本は、十分にサッカー大国と呼べるかもしれませんね。
今回は、そんなサッカー実況中継の事情について述べていきたいと思います。
■サッカー実況中継の老舗「NHK」
NHKは、Jリーグが発足する前の日本サッカーリーグ (JSL) の頃から実況中継を行っていました。1993年にJリーグが発足した当初からは、毎年のリーグ戦とポストシーズンマッチの公式戦の中継放送を、NHK-BS1と総合テレビで放送しています。
複数の試合を多元でライブ実況中継をする「Jリーグスペシャル」も放送されていますが、これもネットワークが充実しているNHKならではですよね。
さらにNHKは、共催しているサッカー天皇杯の独占放送権も有しています。
天皇杯の都道府県決勝はローカル局で、3回戦以降はJリーグ所属クラブの試合を中心にBS1で実況中継し、決勝を総合テレビで実況中継しています。
Jリーグ発足前からの古参ということで、今も昔もNHKは日本のサッカー中継における中心的な存在なのです。
■民放のサッカー中継事情
天皇杯の放映権はNHKが持っているので民放各局による実況中継はありません。
その代わり、ほかのビッグイベントであるヤマザキナビスコカップはフジテレビジョン、スーパーカップのFUJI XEROX SUPER CUPは日本テレビ放送網が、それぞれ地上波と衛星波の独占放映権を持っているので、NHKでの実況中継はありません。
ちなみに、2011年1月1日の天皇杯決勝の実況中継からはオープニングの前に、サッカー番組の共通アイキャッチが生まれました。
すでにお気づきのサッカーファンならご存知と思いますが、このアイキャッチはテレビ画面の右中央にサッカーボールの六角形のイメージを配したものです。その下に「FOOTBALL」のロゴ、画面の左下に「SOCCER NHK SPORTS」のロゴが入っています。
このアイキャッチの後でサッカーボールをキックするイラストが画面の右上から中央へと移動し、再び右側に現れて、それが消えると六角形のイメージが回転します。
まだお気づきでない方は、次の天皇杯の中継映像にご注目ください。
■放送局が増え、サッカー実況中継も増加
NHKでは、J1リーグ戦から毎節1~2試合をBS1で実況中継しています。シーズン中は土曜日の夜がJリーグ実況中継の放送枠として確保されていて、ライブの実況中継が放映されています。
ちなみに、2012年からは土曜日のデイマッチ実況中継が増えています。そのため、ナイトマッチと合わせて1日に2試合の実況中継も多くなりました。
なお、サッカー実況放映をおこなうBS放送は、NHKの新・BS1のほかに民放のBS朝日、BSフジ、WOWOW、J-SPORTS、スカパー!などです。CS放送は、GAORA、スカイ・A-sports+、日テレG+、テレ朝チャンネル、TBSチャンネル、フジテレビONE・TWO・NEXTなどです。
このように地上波以外の放送局が増えたことは、サッカーの実況中継拡大に貢献していると思います。
■海外のサッカー実況放送が日本で見られる理由
海外でも、もちろん各国のテレビ局やラジオ局がサッカーの実況放送をおこなっています。
日本よりもサッカーそのものの市場が大きいヨーロッパなどでは、放映権そのものがビッグビジネスになるのは言うまでもありません。イングランドのプレミアリーグがあれほどまで世界的なリーグに成長したのも巨額の放映権収入があるからだと言われています。
今や日本国内で世界中のサッカー実況放送が見られるようになりましたが、これは全てそれぞれの試合に関する放映権を中継局が持っているからです。
勝手に放送することはできないので、日本の放送局が放映権を購入していることになります。これも主催者への収入となるので、やはりサッカーの実況放送がいかにビッグビジネスであるかが分かります。
■サッカー実況番外編-海外サッカー実況の空耳
アラビア語でまくし立てているアナウンサーの言葉が空耳で日本語に聞こえてしまう、という動画です。興味のある方は試しに一度ご覧ください。
日本語の字幕とアナウンサーの叫び声を合せて見聞すると、抱腹絶倒間違いなしです!