新ルール改定!オフサイドの定義、あなたはわかりますか?
サッカーは相手ゴールにボールを入れ合う、一見わかりやすいスポーツです。
しかし、誰もが一度は首をかしげたことがあるわかりにくいルールがあります。それが「オフサイド」です。
オフサイドとは
オフサイドとは、砕けて書くと「待ち伏せ攻撃禁止ルール」のことで、反則行為です。
相手のDFラインよりも相手ゴール側に陣取り、そこでボールを受けてはいけませんということです。
反則になると、相手のチームに直接フリーキックが与えられます。
もう少し専門的に書くと、攻撃側がオフサイドポジションにいる味方にパスを出したり、オフサイドポジションにいる味方が相手選手の視界やプレーを邪魔したり、オフサイドポジションにいることによって利益を得るような行為をすることは全て反則、となります。
そもそも”オフサイドポジション”って何?
オフサイドポジションとは、その名の通りオフサイドになる位置(ポジション)のことです。相手側エンドラインから2番目に近い選手~エンドラインの間がこれに当たります。
エンドラインから通常1番目に近い選手は、ゴールキーパーです。2番目に近い選手は、普通はセンターバックなどのディフェンダーになるケースが多くなります。
このディフェンスラインから相手ゴールまでのエリアが、オフサイドポジションになるわけです。
何をすればオフサイドになる?
では、具体的に何をしたらオフサイドになってしまうのでしょうか。
1. 攻撃側がオフサイドポジションにいる味方にパスを出す
ボールを出した瞬間に、受けようとする味方がオフサイドポジションにいると反則になります。理解できれば、比較的わかりやすいですね。
2. 相手選手の視界やプレーを邪魔する
オフサイドポジションにいる味方に向かって蹴ったわけでなくても、その選手がゴールキーパーと競りにいったりすると、「相手の視界やプレーを邪魔した」と取られ、反則になります。
その選手が相手ディフェンダーの進路を妨害したりしても、同様の反則になります。
3. オフサイドポジションにいることによって利益を得る
味方が蹴ったボールがゴールポストやクロスバーなどに跳ね返ったり、あるいは相手選手に当たって跳ね返ったり方向が変わったボールに対し、既にオフサイドポジションにいる選手が反応すると「オフサイドポジションにいることによって利益を得た」と取られ、反則になります。
味方が自分でない選手やゴール目がけて蹴った瞬間に自分がオフサイドポジションにいたら、相手選手やポストに跳ね返って自分の前にこぼれてきてもプレーしてはいけませんよ、ということですね。
ここまでが”今まで”のオフサイドルールでした。しかし新ルールが発足し、2013年から一部ルールが改正されました。
オフサイドにならない新ルール
2013年から、3の「オフサイドポジションにいることによって利益を得る」が一部改正されました。
味方が自分でない選手やゴール目がけて蹴った瞬間に自分がオフサイドポジションにいた時でも、相手選手がクリアや蹴り出しなど意図的にプレーした場合(ゴールキーパーのセーブは除く)は、それによって跳ね返ったりこぼれてきたボールを受けてプレーしても「利益を得た」と判断しないことになりました。
つまり相手選手がクリアミスをしてしまうと、蹴った瞬間にオフサイドポジションにいた選手に渡っても反則にならず、そのままプレーを続けることができるということです。
新ルール適用で出る変化は?
では、今回のルール改正で実際の試合にどんな影響が出ると考えられるでしょうか。
1. 高いディフェンスラインはとてもリスキー?
今回の改正は、プレー面にとってはオフェンス側が有利になります。クリアミスをしてしまうとオフサイドが適用されず、簡単にゴールキーパーと1対1を作られてしまう状況が多くなるかもしれません。
高いディフェンスを敷いていると、少し怖いですね。
2. フォーメーションや戦術の変化が世界中で起こる可能性も
現在の主流である、高いディフェンスラインを敷いて中盤をコンパクトに保ち、高い位置で奪ってショートカウンターを狙うサッカーは、少し変化してくる可能性も考えられます。
これからどんな戦術やフォーメーションを取るチームが出てくるのか?観戦する側も非常に注目です。
参考
かつては、オフサイドポジションに味方選手が1人でも入っていたら、プレーに関与していなくても問答無用でオフサイド判定されていた時代もありました。
サッカーのルールは少しずつ改定を重ねていますが、オフサイドルールは解釈の複雑さから議論が起こりやすく、よく改定されます。
指導者や審判の方はもちろんですが、観戦する方も時々チェックしてみてください。